今はテクノロジーを利用しておうち英語を進めることで、費用を抑えて子供に高度な英語力を着けることができます。フルタイムのインターに行かなくても大丈夫!
インターナショナルスクールに行かないと高度な英語力は子供に付かないと考えていませんか?そんなことはありません。
カエデの子供たちは、月~金フルタイムの日本人学校へ行かなくても、難しい日本語を高度に身に着けました。
英語は日本語に比べると、ずっと習得が楽な言語です。(ただし、「英語は2000時間でマスターできる」というセールストークはおおげさです。)
英語を高度にマスターした自身の経験と、子供たちを高度トリリンガルに育てた経験、周りのバイリンガルになった(またはならなかった)子供たちを長年観察した考察を基に、カエデが考える経済的なおうち英語ルートマップをご紹介します。
*もちろん、教育費は使わないといけませんが、ここで使って欲しいというところを教えます!
この記事は次のような読者向けに書きました。
- 早期英語教育に興味がある人。
- バイリンガル教育に興味がある人。
- インターナショナルスクールに興味がある人。
おうち英語の進め方:早く始めるが勝ち
大事なのは、「とにかくおうち英語を早く始める」ことです。そうすることで、大人のように英語学習に苦しまなくて済みます。
子供の外国語習得能力の高さは科学が証明しています。
子供の外国語習得能力はMITが証明
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、外国語の習得能力の臨界期について大規模な調査を行いました。(参考:MIT News, ‘
Cognitive scientists define critical period for learning language‘)
大きな発見は、「外国語の文法を高度に習得する能力は思春期くらいで終わると思われていたのが、実は18歳くらいまで持続する」ことが分かりました。
しかし、「『ネイティブ並み』になるには10歳までに外国語学習を始めないとほぼ不可能」ということです。
10歳までならネイティブのように正しい発音と文法力を身に着けられます。(しかし、その言葉が話されている国に住むくらいどっぷり浸からないといけませんが。)

おうち英語は0歳から始める
外国語の習得のカギは「早く始めることと、その言語にたくさん触れること」です。
できれば0歳から始めましょう。
乳幼児から始めると、「黄金の耳と鋭い文法習得能力を利用」できます。また、外国に住まなくても、早く始めることで「言語の総接触量を増やす」ことができます。
外国語習得に必要な学習時間は最低5,000時間です。これは聞き流しの時間は含まれず、意識して学習する時間数を指します。
どんな言葉でも吸収してしまう幼児期をうまく活用し総学習時間を増やすことで、高額なフルタイムのインター教育に負けない英語力を身に着けさせることができます。
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余った時間を専門の勉強に使う
おうち英語や早期英語教育のメリットは、成長してから苦労して英語を身に着けなくて良いので、余った時間を専門性を高めることに使えます。
これからは「英語力x専門性」の2本柱が主流になります。大人になってからだと子供時代の数倍の時間が英語学習に必要になります。
周りが英語学習をしている時間を、英語以外の受験勉強や、自分の興味のある勉強、専門的な知識の向上に使えます。
子供時代に楽に英語力を身に着けさせることは、子供が大人になってから苦労せず、限りある時間を有効に使うことができるのです。
努力で英語ができるようになった人は、「英語は大人になっても身に着けられる」と言います。しかし、誰もが彼らのように努力家ではありません。
おうち英語は、子供の意志の力が必要ないのです。

おうち英語でダブルリミテッドの心配は無用
日本語がまだ確立していない乳幼児に英語を教えると、日本語が育たずダブルリミテッド(セミリンガル)になるのでしょうか?
おうち英語や早期英語教育に反対する人は、どちらも中途半端なダブルリミテッドになると言います。
しかし、「日本で、日本語に囲まれ、日本人の親に育てられている子供の日本語が育たない」等ということはまず起こりません。
よほど英語かぶれした親に、始終英語育児をされない限りは大丈夫です。

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おうち英語の進め方:ルートマップ紹介
では、カエデが考える「費用に見合ったおうち英語の進め方:長期的なルートマップ」を紹介します。
テクノロジーを利用すれば、フルタイムのインターに行かなくても、今では十分高い英語力を着けることができますよ。
カエデが考えるおうち英語の進め方ルートマップ ☟
- 0歳からかけ流し
- 母語(日本語)優先の育児
- 3歳から読み聞かせやビデオ、オンライン英会話、プリスクール
- 幼稚園でサタデースクールやプリスクールも
- 小学校時代は興味のあることを英語で体験
- 9歳頃までに初めての海外旅行に連れ出す
- 作文と読書を習慣づける。
- 高校時代で1年間の交換留学
- 大学で本格的な留学
1つずつ見ていきましょう☟
0歳からかけ流し
まずは0歳から英語の歌やオーディオブックをかけ流すだけです。
これは耳が音を覚えるインプットです。ただ、かけ流しだけで英語を話すようにはなりません。
幼児は勝手に音を拾って英語の歌を歌うようになりますが、意味が分かって歌っているわけではありません。意味が分かるのはもっと後です。
そして、3歳の誕生日までは、親は英語での語りかけや読み聞かせはしません。親の母語(日本語)でしっかり語りかけや読み聞かせで育児をし、言葉そのものの基礎を作ります。
読み聞かせは子供を将来読書好きにします。読書好きにすると英語育児にも役立ちます。

3歳から読み聞かせやビデオ、オンライン英会話、プリスクール
3歳から徐々に英語でのアクティビティを増やします。英語への抵抗感をなくすことが一番大事なので無理強いは禁物です。
今ではテクノロジーのおかげでさまざまなツールがあります。
色々なツールを使ってインプットしましょう。子供は飽きやすいので何が気に入るか分かりません。色々試してみましょう。
インプットが十分になればアウトプットの場も用意しましょう。
ただし、インプットが十分でないのにアウトプットを急ぐと子供が英語嫌いになります。
親の日本語アクセントのついた読み聞かせでも大丈夫です。子供はネイティブの先生(またはビデオ)のほうを真似してくれます。
呼び水として親が英語で語りかけるのもOKです。一緒に英語歌を歌ったり、親子で楽しい時間を持ちましょう。
親は英語を教える必要はなく、親がすることは「英語に触れる環境作り」です。
フォニックスやサイトワーズも無理せず始めましょう。本好きにしておくと語彙や表現力が伸びます。

幼稚園でサタデースクールやプリスクールも
インターは不要と言いましたが、お金に余裕があれば、4~5歳で1~2年だけインターのプリスクールもお勧めです。
スクールのレベルにもよりますが、サタデースクール’やアフタースクールだけでも効果があります。この年齢なら他の子供たちと英語で遊んで楽しいと思えることが大事です。
カエデの子供たちはカナダで月~金フルタイムの日本語保育園に通ったので、後の日本語保持が比較的楽でした。
小さいうちに人のいる前で英語で話すことに慣れておくのはとても有効です。
小学校からのフルタイムのインターは必要ありません。
引き続きインプットは続けましょう。

オンラインでインターの英語教育を受けられるグローバルステップアカデミー Global Step Academy (SGA)を詳しく紹介します。特別クーポンもありますよ! カエデはバイリンガル教育を勉強しながら、カナ[…]
小学校時代は興味のあることを英語で体験
【プリインターに行っても小学校で何もしないと英語は消える】
さて、英語学習を続けることが難しくなるのが小学校に上がってからです。
幼児期とは違い、このころになると英語で遊ぶだけでは英語力が着きません。また、知的好奇心を満たさないと子供は飽きてしまいます。
小学生は幼児期とは違い、読んだり書いたりする学習の要素も必要です。
一番良いのはイマージョン方式といって、英語で教科学習をすることです。
カエデの子供たちは、フレンチイマージョン(カナダの英仏語バイリンガル教育)でフランス語で学科を勉強してフランス語力を、土曜日の補習校で国算理社の勉強をして日本語力を着けました。
日本語は池端ナーサリースクール保育園とトロント補習校で、英語とフランス語はカナダのフレンチイマージョンを幼稚園から始めたことで、子供たちはトリリンガルになりました。 我が家の子供2人(すでに成人)は日加ダブルで日英[…]
ターゲットの言語(英語)を使って、教科を学習したりアクティビティをしながら言葉を学習する方法を、クリル(CLIL=Content and Language Integrated Learning)といいます。
言葉は単に外国語として覚えるより、動作や作業、目的とする学習があると、興味が持続して効果的に覚えることができます。
学科でなくても、子供が興味のあることを英語で体験させましょう。

【100%完璧な学校などない】
英語のサタデースクールやアフタースクールを試してみるのも良いでしょうが、英語のレベルも含め子供に合ったところを見つけるのが本当に難しい。
カエデも、小学生の子供たちを放課後に預けるところを見つけるのが、とても難しかったのです。
フランス語(を話すはず)のアフタースクールに入れましたが、理想的なところではなく、3年間は不本意な経験をしました。(カナダは小学4~5年生くらいまでは、家に子供だけで留守番をさせることはできません。)
または、不本意なスクールに無理に子供を預ける代わりに、英語でのアクティビティに積極的に子供と一緒に参加するのも良いでしょう。
「Meetup」というサイトがあり、英語でPlaydate(お遊び会)をしたり、日本在住の外国人とハイキングをしたりするイベントを見つけられるサイトがあります。☞ Meetupの英語でのイベントサイト
日本人もたくさん参加しているので、親御さんが英語を話せなくても大丈夫。(ただし、子供が嫌がるのに無理にアウトプットさせるとマイナス効果です。)
100%親の意向に合った完璧な学校やプログラムは存在しません。足りないところを親の工夫で補うしかないんです。

9歳頃までに海外旅行に連れ出す
できれば幼いころから海外に連れ出すのが良いですが、それが無理ならせめて4年生までには海外旅行に連れ出します。
子供は9~10歳で外国を意識しますが、外国文化や外国人に対する抵抗感が薄いので、真の国際人になりやすい年齢です。
親は子供に英語を話せるようになって欲しいだけではなく、グローバルな広い視野を持った大人になってほしいはずです。
世界で何が起こっているのか、どんな歴史があって、どんな人達が住んでいるのか等、子供と日頃から話し合いましょう。
作文と読書を習慣づける
難しい高学年での英語力を補強するのが、作文と読書です。
【作文力は日本語と英語で強め合う】
9歳を過ぎたら徐々に作文を始めましょう。日本語で作文力のある子は英語の作文も上手くなるので、日本語(国語)の作文も大事です。作文力は英⇔日で強め合います。
最初は英語の間違いの訂正をせずに自由に書かせます。子供って訂正されるのが嫌いなんですよね。うちの子も日本語の作文を訂正すると泣いて怒ってました。子供の性格も見ながら対応するのが良いと思います。
英作文は中級以上はネイティブの先生に見てもらいましょう。やはり英語らしい表現があるからです。将来留学させるなら、海外の学校ではレポートが命。書くことに抵抗がないように育てましょう。
【読書が好きだと怖いものなし】
思春期頃になると思考も抽象的になり、子供の使う語彙も大人に近づきます。その時に英語の語彙力がないと英作文にもどかしさを感じます。そこで力を発揮するのが読書です。
日本語と英語、両方で読書を楽しめるようになると怖いものなしです!

高校時代で1年間の交換留学
高校で1年間くらいの留学が理想ですね。
できればしっかりしたホームステイファミリーがいる、フルブライトやロータリークラブの交換留学が理想ですが、しっかりした交換留学制度のある高校へ進学させるのも良いでしょう。
留学エージェント経由での高校生留学は、本当に気をつけないとなりません。ステイ先の家族が金銭目的のためサポートがなく、鬱になった例をカエデはいくつか知っています。
高校生はまだ子供で、問題を自分で解決できないということを忘れないでください。
子供の成長に合わせ無理は禁物です。

大学で本格的な留学
日本の大学から交換留学で1年間留学するか、4年間の学部留学という方法があります。
学部留学の場合、何年もかけて計画する必要があります。
海外の大学は卒業するのがとてもたいへんです。英語ネイティブであっても、カエデの娘も勉強が大変で見ていてかわいそうでした。
また、英語圏の4年制大学はとにかく学費が高く、生活費込でアメリカなら4年間で3100万円くらいかかります。(参考:UCバークレー)
資金計画も大事です。
前述したように「英語x専門」の2本立てのキャリアプランを考えましょう。
乳幼児の時から日本語教育をし、補習校に入れ、数年に1度、数週間ずつ日本の小中学校に体験入学させていました。それらの積み重ねによって、特に日本への長期留学がなくても日本語を身に着けることができたのです。
バイリンガルに育てるには色々な方法があるのです。

まとめ:おうち英語は子供に大きな選択肢を与える
このように、早期英語教育なら、将来の余った時間をキャリアのための勉強に使うことができるのです。
英語を話せることは子供の選択肢が増えることです。ただし、子供の成長のスピードに合わせ、無理は禁物です。バイリンガル教育は20年以上かかることを念頭に置きましょう。
もちろん、幼児期でなくても、英語はいくつになっても学習することができます。ただ、子供のほうが楽なんです。

参考文献:MIT News, May 1, 2018 ‘Cognitive scientists define critical period for learning language’