「バイリンガル教育で言葉が遅れる」はウソ?!すでに研究済みです

国内での早期英語教育に反対したり、海外での日本語教育を親が諦める理由に、「バイリンガル児は言葉の発達が遅い」というものが信じられているようですが、これは迷信です。

 

ただ、それぞれの子供が本来持つ、言葉の発達のスピードや運用力には違いがあります。

 

カエデの息子は3歳の誕生日まで文章で会話ができず心配しましたが、今では日英仏語のトリリンガルです。

 

研究でも証明されているので、心配せずに幼児から英語教育や、海外での日本語教育を進めて大丈夫です。

 

カエデはバイリンガル教育を勉強しながら、カナダで2人の子どもを日英仏語で読み書きまでできる高度トリリンガルに育てました。そして、駐在や永住家庭など、たくさんの家庭のバイリンガル教育を見てきました。

 

この記事は以下のようなことについて書かれています。

  • バイリンガル教育をすると言葉が遅れると思われる理由
  • バイリンガル教育で言葉は遅れない―研究者の結論
  • 言語表現が苦手なわが家の息子
  • バイリンガル教育で気をつけること

 

この記事のおすすめ読者

1.バイリンガル教育に興味がある。

2.おうち英語に興味がある。

3.海外で子供を日本語とのバイリンガルにしたい。

4.日本語教師。

 

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バイリンガル教育をすると言葉が遅れると思われる理由

女の子とシャボン玉

幼児にバイリンガル教育をすると、言葉の発達が遅れるように見えるのは、以下のようなことがあるからではないでしょうか。

 

複数言語を同時に教えるとどの言葉も伸びないのでは?

 

母語もまだ確立していないのに外国語もいっしょにやると、どの言葉も伸びないダブルリミテッド(セミリンガル)になるのでは?と心配する声がたくさんあります。

 

子供には、どんな言葉でも自然に覚える「言語形成期」というものがあります。

 

特に、複数言語を身に着けるのに最も適しているのが、0歳~8歳の言語形成期前半です。

 

この年齢の子供は真似するだけで言葉を話せるようになり、語学の天才なんです。

 

この年齢で、ターゲットとする外国語を聞かせ、インプットとアウトプットをすると、自然に外国語でも覚えてしまいます。

 

(その後、9歳~15歳の言語形成期後半には読み書きの力を伸ばす学習が必須となります。)

 

カエデ
5か国語くらいなら楽に話せるようになるそうです。

 

 

語彙が少ないようだ

 

年齢別に、目安としての子供の語彙数は以下のようなものです。日本語と英語の文献を比べてみましたが、だいたい同じようです。

 

年齢が上がるほど、語彙数を数えるのは難しいですが、目安は「年齢相応に意思疎通ができるか」ですね。

 

子供の語彙数の目安

1歳半:30~50語

2歳:300語

3歳:1,000語

4歳:1,500語

5歳:2,000語

6歳:2,500~3,000語

参考:愛知県青い鳥医療福祉センター資料、 Is your child’s vocabulary right for their age?

 

では、バイリンガル児、特に国際結婚や海外で育児をしている幼児の語彙が少ないように見えるのはなぜでしょう。

 

幼児が複数言語環境で生活すると、親は自分の母語(親が得意とする言葉)で子供の語彙力を測りがちです。

 

国際結婚の親や海外在住の親も、1つの言語での語彙力を測り、それで語彙が少ないように思えるのです。

 

2つの言語合わせて語彙が年齢相応にあれば大丈夫です。1つの言葉で単語は知っているが、今話している言語では知らないだけかもしれません。

 

そんな時は、毎回さりげなく教えたり、弱い方の言葉との接触量を増やしたりして強化していきます。

 

カエデ
語彙が少ないと心配になりますよね。

 

 

言葉を混ぜるのは脳が混乱してるから?

 

言葉を混ぜて話すのはいけないことのように思えますね。

 

複数言語環境で暮らす幼児が言葉を混ぜるのは、自然なことであり、言葉が混乱してるわけではありません。

 

幼児は、それらは違う言語だという認識がまだできていないので、何か伝えたいとき、頭の中にまず最初に浮かんだ単語を使っているだけです。

 

幼児でも話す相手によって言語を使い分けています。

 

が、思い浮かばない時に、単語を借りてきます。これをコードミキシングといいます。

 

コードミキシングは年齢が上がるにつれて消えていきますが、弱い方の言葉に残ります。

 

カエデの子供たちは、話し出すようになったころから、パパには英語、ママには日本語で使い分けていました。

 

そして、その時話している言語で単語を知らない時に、もう1つの言語から単語を借りてくるのです。

 

子供達はカナダで日本語保育園に通っていたので、園児の時は日本語優勢でした。ですので、英語を話す時に、わからなければ、日本語から単語を借りていました。

 

学校に上がってからはまたたく間に英語が優勢となり、それ以後は、日本語を話す時に英語から単語を借りるようになりました。

 

そして、それ以後はずっと英語が優勢で、私のバトルが始まりました。(涙)

 

私は、幼児期を過ぎても子供たちが日本語会話に英語を混ぜた時には、1つ1つ、「日本語ではこう言ってね」と、直していました。

 

子供の「話したい」という気持ちを損なわずに、サラっと言い添えてあげるのがポイントです。

 

カエデ
日本語保育園に通っている間は、日本語の心配をしなくてよく天国でした。

 

あまり発話したがらない

 

子供には色々な個性があり、あまり話さず、じっと聞く方が好きな子もいるでしょう。

 

これもバイリンガル教育には関係なく、子供の個性だと思います。

 

子供があまり喋らなくても、じっと大人が話すのを聞いているのかもしれません。私の息子は3歳までは、発話はほぼ単語のみで、文章で話す事ができませんでした。

 

2歳からは第一反抗期があり、言葉が出ないので親が理解できないことに苛立ち、しょっちゅう癇癪(かんしゃく)を起していました。

 

カエデ
息子の第一次反抗期は7年続きました。トホホ

 

 

もちろん、息子の発する言葉数は少なくても、私たち親は質の良い言葉のシャワーを心掛け、読み聞かせは毎晩、語りかけもずっと続けました。

 

すると、3歳の誕生日頃から、堰を切ったようにお喋りができるようになりました。そしてもちろん、日本語と英語は使い分けていました。

 

バイリンガル教育で言葉は遅れない―研究者の結論

研究結果

バイリンガルの研究は比較的新しい分野であり、なかなか一般の人には馴染みがなく、思い込みや通説がまかり通っている分野でもあります。(ある教材は右脳に良いとか。)

 

だんだんとバイリンガル教育の研究も進み、今までの思い込みは何ら根拠がないということも分かってきました。

 

カエデ
間違った思い込み多いです。

 

「ハーフは自然にバイリンガルになる?」「外国語には向き不向きがある?」バイリンガル教育にはいろいろな疑問があり、それに対しての思い込みもたくさん!詳しくはこちら☟

バイリンガルの思い込み

海外で子供を日本語とのバイリンガルに育てたいと思う親ごさんは多いでしょう。しかし、バイリンガル教育について結構思い込みや誤解が多いことを知っていますか?   思い込みや誤解は、せっかくのバイリンガル教育なのに、方法を間[…]

 

複数言語環境でも言葉の混乱は起きない

 

バイリンガル教育の専門家の多くは、複数言語環境で育てても、言葉の混乱は起きないと結論付けています。

 

4か月の乳児でさえも、言語を区別して認識しているそうです。

 

カエデの子供たちはほぼ生まれた時から日本語と英語を話し、幼稚園からはそこにフランス語が加わりました。今まで、混乱している様子は全くありませんでした。

 

世界中には複数言語を話す人口の方が、1つの言語しか話さないモノリンガルより多いくらいです。

 

複数言語環境で言葉の混乱が起きるのであれば、地球上のたくさんの人に言葉の混乱が起きているはずです。

 

カエデ
カエデの子供たちも混乱はありませんでした。

 

 

言葉を混ぜて話しても大丈夫

 

親がネイティブレベルのバイリンガルの場合、リラックスした状態では言葉を混ぜる人が多く、子供もそれを真似して言葉を混ぜるようです。

 

カエデの友人母子はどちらもバイリンガルで、親子で日英語ごちゃまぜのマシンガントークを繰り広げます。彼らにはこの話し方が最も話しやすいそうです。

 

そして2人共、どちらの言葉も、きっちりネイティブとして使えます。

 

どちらの言葉もネイティブレベルのバイリンガルの親が、子供に言葉を混ぜて話しても、子供は問題なく言語を発達させます。

 

言葉を混ぜることは、高度な複数言語話者にとっては生活の一部なのです。

 

カエデ
バイリンガル同士のごちゃまぜトーク!

 

 

参考文献:

Teaching Kids a Second Language: Can It Cause a Speech Delay?

Bilingualism in the Early Years: What the Science Says

バイリンガル教育の基礎を知りたいなら読みやすいこの1冊がお勧めです!☟

 

言語表現が苦手な息子

ロッカールーム

上ですでに述べたように、息子は3歳の誕生日ころまで、どちらの言葉でも文章で話すことができませんでした。

 

私たち夫婦はなかなか話し出さない息子を心配し、カナダで家庭医に相談しました。

 

家庭医と相談

 

私たち家族は息子が生後5か月の時にカナダに移住しました。

 

それ以降、家庭医に子供たちの健康診断をしてもらっていました。

 

息子がなかなか文章で言葉を話さないことも、もちろん相談に乗ってもらいましたが、知能に遅れはないとのことでした。

 

そして、それまでずっとまわりの言葉を聞いて貯金をしていたかのように、3歳の誕生日を境にたくさん話すようになりました。

 

スピーチセラピーも検討

 

息子の場合は単に話し出す時期が遅かっただけのようで受けませんでしたが、言葉がなかなか出ない場合は、スピーチセラピーを受けてみるのが良いかもしれません。

 

それで問題がなければ安心ですし、もし何か原因があるのであれば、できるだけ早いうちに問題を見つけ、子供の言葉の発達を促進させることを勧めします。

 

子供専門のスピーチ・セラピスト(またはスピーチ・パソロジスト)は、子供の言語発達を妨げる要因を、内面と外面両方から探り、適切な指導やリハビリをしてくれる専門家です。

 

バイリンガル・マルチリンガル環境で育つ子供のためのスピーチセラピーを、オンライン、しかも日本語で相談に乗ってくれるスピーチ・パソロジストもいらっしゃいます。

 

(例としてリンクを貼りますが、ご利用は自己責任でお願いします。)☟

オーストラリアで日本人家庭をサポートするスピーチ・パソロジスト 武南恵子さんのサイト

バイリンガル児スピーチ・パソロジスト 鈴木美佐子さんのサイト

 

成長後も言語は苦手

 

バイリンガルであるなしに関わらず、言語の発達は個人差があるようです。

 

発話が遅かった息子は、話し始めたものの、言葉の成長は他の子供たちに比べてゆっくりでした。そのため、学校の勉強も苦手でした。

 

注意力が不足気味なのでADHDを疑ったこともありましたが、こちらの可能性も、家庭医が否定しました。

 

息子は、英語でも日本語でも、説明をしたり、作文を書いたりするのに苦手意識があました。

 

クラスメートとのトラブルも、言葉で説明するのが億劫なので、小学校時代を通してよく手の方が先に出てしまい、校長室に呼び出されていました。

 

今はすっかり落ち着いた青年となりましたが、言語表現が苦手という個性は残っています。

 

ただ、子供の時から読書(主に英語)は好きで、シャイですが、読書で得た知識を人と話すことは大好きです。

 

ゆっくり周りに遅れながらでも、息子は日本語補習校を高校まで卒業し、今では日英仏語のトリリンガルに育ちました。

 

 

カエデ
子供は誰でも外国語の習得はできますが、皆が得意ではありません。

 

カエデの子供たちはカナダで日英仏語の高度トリリンガルになりました。その過程はこちら☟

カナダでトリリンガル教育

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バイリンガル教育で気をつけること

気をつける事

バイリンガル教育をしたら必ずダブルリミテッド(セミリンガル)になることはありません。ただ、方法を間違うとどの言葉も育たない可能性はあります。

 

海外でも母語(日本語)育児は重要

 

子供を複数言語環境で育てる場合は、十分な注意が必要です。

 

海外在住や国際結婚の場合、幼児期はその国の言葉より、親の言葉の方が強い場合が普通です。

 

乳幼児は親の母語で育児をされながら、言葉そのものの基礎を身に着けていくので、母語で育児することはとても大事です。

 

表現力豊かな言葉で話しかけられ、愛されることで、子供は言葉そのものを体得します。

 

母語はその後身に着ける学習言語の基礎になります。

 

学校に上がって、たとえ母語が弱くなり、学習言語の方が強くなったとしても、それは自然なことなのです。

 

母語がしっかり確立してこそ、学校言語がその上に発達していきます。

 

カエデ
母語は言葉の基礎!

 

おうち英語で英語の方が強いのは要注意

 

親の母語や社会・学校の言語を幼児期に混ぜるのはほぼ問題はありません。

しかし、

おうち英語や早期英語教育のやりすぎで、家庭に英語母語話者がいないのに、子供の発話が英語の方が多かったり、日本に住んでいるのに日本語でスムーズに会話できない場合は要注意かもしれません。

 

親が英語ネイティブでないのに、英語で育児をすることも、子供の言葉の発達を阻害します。

 

バイリンガル教育の専門家が、「外国語で育児することは、赤ちゃんに薄めたミルクを飲ませるようなもの」と言っていました。

 

カエデ
英語偏重育児には気をつけましょう。

 

 

おうち英語では、親と子供が英語で話す時間や場所を決めたり、オンライン英語の先生とは英語、普段の親との会話は日本語と、親子でルールを作ります。

 

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まとめ:バイリンガル教育は正しい方法で

 

「早期英語教育やバイリンガル教育をしたから言葉が遅れることはない」は、研究者が証明しています。

 

ですから、自信を持って子供に外国語や、海外で母語である日本語教育をしても大丈夫です。

 

ただ、日本在住、日本人家庭なのに英語育児偏重になったり、親の母国語は日本語なのに英語で乳幼児の育児をするという、不自然な言語環境に子供を置くと、言葉の発達が遅れるという可能性は否定できません。

 

言葉の遅れが心配であれば、バイリンガル児向けのスピーチ・パソロジストに相談してみるのも良いでしょう。

 

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