「一流の頭脳」を要約してみた!ストレスやうつ解消には○○がイイ【ネタバレあり】

ベストセラー「一流の頭脳」を要約して紹介します。ストレスやうつ解消には○○が一番!

脳と運動の関係についてのベストセラー「一流の頭脳」の英語版「The Real Happy Pill」を要約してみました。著者のアンダース・ハンセンはスウェーデンの精神科医。

「一流の頭脳」の種明かしをすると、現代人がかかえる、ストレス、うつ予防、認知症には運動、それもジョギングやエアロビクスなどの有酸素運動が一番良いそうです。そして、精神科医らしく、ちゃんと研究結果を基にして説明してくれています。

カエデが皆さんの役に立ちそうな部分を紹介します。【ネタバレ注意!】長いです。

 

この記事のおすすめ読者。

1.ベストセラー「一流の頭脳」に興味がある。

2.ストレス解消の方法を知りたい。

3.脳に最も良い運動量を知りたい。

4.脳に関する新しい発見を知りたい。

 

日本語版「一流の頭脳」の見出しと比べてみましょう。題名の「一流」という言葉は、最近流行っているので使ったのでしょうが、読んだ後だとちょっと内容と合っていない気がします。

各章の見出しも英語と比べてみましたが、これも英語と日本語で受ける印象が違ってきますね。ただ、原本のスウェーデン語はカエデは分からないので英語版との比較になります。

第1章  Your changeable brain 自分を変える「ブレイン・シフト」
第2章  Run away from stress 脳から「ストレス」を取り払う
第3章  Improved concentration カロリンスカ式「集中力」戦略
第4章  The real happy pill 「やる気」の最新科学
第5章  Jog your memory 「記憶力」を極限まで高める
第6章  Train yourself to be creative 頭のなかから「アイデア」を取り出す
第7章  The growing brain 「学力」を伸ばす
第8章  Healthy aging of the brain 「健康」な頭脳
第9章  The Stone Age brain in the digital age  超・一流の頭脳
第10章 The fight prescription for the brain 「一流の頭脳」マニュアル

 

カエデ
なぜ運動が脳に良いのか見ていきましょう。

 

目次

「一流の頭脳」要約1.脳は形を変える

脳は生活習慣によって形を変えられます。

運動が老化を遅らせる

脳の可塑性(かそせい)」とは、刺激があると脳神経のシナプスは繋がり、刺激がないと繋がらなくなることです。老化はその脳の可塑性が衰えることです。

例えば、スウェーデン生まれの子供が日本語環境に置かれると訛りのない流暢な日本語を話せるようになるが、大人になってからでは訛りがどうしても残ります。それは発音に関しての脳の可塑性が失われたから。小さい間にターゲットとする言葉の音に触れないと、大人になってからでは正しい発音ができません。

カエデ
多言語教育はカエデの得意分野!

 

ある研究で、60歳の人を2グループに分けて、1つのグループに週2回散歩させ、もう1つのグループには心拍数の上がらない軽い運動をさせて、1年経過を見ました。MRIで見ると、散歩をさせたグループの前頭葉と側頭葉の連携が良くなり、脳が若返りました。また、意欲、計画性、集中力等の認知力も上がったそうです。

高齢化による認知症予防には散歩、しかも心拍数が上がるように、できるだけ速く歩くのが良いようです。

 

脳の驚くべき回復機能

生まれた時に脳が損傷していても、他の脳が失った機能を回復させることがあります。

「脳の可塑性」を証明する出来事として以下のような例があります。

左脳がほとんどない状態で生まれたある女性は、成長するにつれて右脳が発達し、歩行機能や学習能力を身に着けました。また、脳に損傷をもって生まれた人が本を読めようになった例を挙げています。

ただ、おまけがあって、中には、右脳がオーバーワークになってランダムに言われた日の曜日を全部言えたり、右目で右ページ、左目で左ページを読めてしまったり等、特殊な能力も一緒に発達することがあります。

映画「レインマン」の主人公がそれですね。ダスティン・ホフマンは知能に障害があるものの、優れた記憶力を持つ人として描かれています。

カエデ
すごい能力!

 

人間は脳を10%しか使っていないはウソ

「人間は脳の10%しか使っていない」という都市伝説がありますが、あれは間違いだそうです。

脳は体重の4%ほどの重さしかないのに、必要なカロリーの20%も消費するほど活動しています。

目的によって使う部位は違うものの、ちゃんと脳は100%使われています。

カエデ
誰が言い出したんでしょうね。

 

 

「一流の頭脳」要約2.ストレスホルモンのコルチゾール

人が緊張してストレスがかかると、副腎皮質からストレスホルモンのコルチゾールが分泌されます。

人の脳はサバンナにいる

ストレスにより分泌過多になったコルチゾールは、「死のホルモン」と呼ばれるくらい怖いものです。

心拍数が上がり口が乾き、筋肉に力が入ります。人類がサバンナで生活していたように、戦闘態勢や狩り、逃げの体勢に入るのです。

しかし、その状態では冷静な論理的な判断がしづらくなります

これはサバンナで、人間が敵やライオンから身を守るために手に入れた脳の機能です。一瞬で決めないといけない「戦うか逃げるか」の選択です。

人間の脳は1万2千年前とほとんど変わっていないのです。緊張するという状況は、脳にとってはライオンに睨まれたような状況です

カエデ
人間の脳はサバンナの中にいる!

 

緊張が続くと鬱や認知症に

緊張すると、筋肉に血液が送られ神経が研ぎ澄まされます。しかし、緊張状態がずっと続きコルチゾールが分泌し続けると、うつや認知症のもとになります。

ストレスが続きコルチゾールが分泌し続けると、脳の連携を阻止し、海馬や前頭前野を縮小させます

そうなると、短期メモリーを失ったり、食欲増進を増進させ肥満になりやすくなります。

脳の機能が低下すると、ストレスを回復させる機能も低下して悪循環になるのです。

カエデ
コルチゾールが出続けるのはキケン!

 

 

「一流の頭脳」要約3.運動とコルチゾールの減少

怖いコルチゾールの分泌過多を、運動で抑制することができます。

運動がなぜストレスに良いのか

運動すると血圧が上がり、ストレスの元凶であるはずのコルチゾールが増えます。

これは、ストレスがかかる時と同じ状態です。しかし、定期的な運動でコルチゾールを上げる癖がついていると、運動意外の緊張から起きるストレスでは、コルチゾールはあまり上がらなくなります。脳が慣れるのですね。

運動はストレス解消に非常に良いのです。ストレスに強いとパニックにならずに問題に立ち向かえます。

 

抗うつ薬は即効性がありますが、効きすぎたり、運動ほどには長く効いてくれません。薬の服用は運動との併用が良いようです

サバンナに生きている脳は、運動することで、食料を探したり危険から逃げることと同じ体験をしています。それらをすることで不安が減るのです。

カエデ
運動でストレスへの耐性をつける!

 

ストレス回復のメカニズム

 

なぜ運動がストレス回復に効くのでしょうか。そのメカニズムは何なのでしょうか。

運動によって前頭葉と海馬、大脳皮質に血液が行き、脳細胞が連携され、発達して脳が大きくなります。前頭葉と海馬がよく発達していると、コルチゾールの分泌を抑えることができるのです。

 

前頭前野や大脳皮質は特に人類に発達しています。

・前頭前野は、前頭葉の先の方にある部位で、意思や計画性、判断、創造、記憶、抑制、集中など、人間の行動のキーになる働きを司ります。ここが衰えて老化すると怒りやすくなります。

・大脳皮質は、大脳の表面に広がる神経細胞の灰白質の薄い層のことで、知覚、随意運動、思考、推理、記憶など、脳の高次機能を司ります

・海馬は中期メモリーを司り、新しい記憶を一旦保存して、長期メモリーに保存する記憶を選ぶため、ふるいにかける役目をします。

どれも、人間が高度な知能を保つためには重要な機能ですね。

カエデ
大きな前頭葉は進化の証し

 

偏桃体と前頭前野の関係

 

サバンナにいる脳は、危険を察知すると素早く偏桃体が活動し、副腎からコルチゾールを分泌させます。そして、コルチゾールが体を緊張させて危険を回避します。

偏桃体に損傷を負ったある女性は、恐怖心がなく、蛇やタランチュラを怖がらなかったそうです。実生活でも自ら危険な状況に入って行ったそうで、危険な地域に住み、強盗に何度も襲われたそうです。偏桃体は脳や体を興奮させ危険を回避させるんですね。

さて、脳はいつまでも興奮しているわけにもいかないので、偏桃体の興奮状態にブレーキをかけるのが海馬と前頭前野の役目です。

しかし、仕事や悩み事で絶えず偏桃体が興奮しているストレス状態は、海馬や前頭前野を縮小させ、偏桃体の興奮を抑えられなくなります。これがうつや認知症の原因にもなります

前頭前野と海馬は運動によって良い影響を受けやすく、運動することで脳に血液が行き連携する神経が発達します。ウォーキングだけでも効果があります。

カエデ
ストレスは偏桃体が暴れること

 

「一流の頭脳」要約4.ティーンエイジャーの精神が不安定な理由

ティーンエイジャーは大人になる過程ですが、精神的にまだ不安定です。なぜでしょう

脳の発達の順番が違う

ストレスを下げる働きをする前頭葉 や前頭前野は最後に成長する脳の部位です。10代ではまだ成長しきっていず。25歳で成長が完成します。

10代はストレスや不安を抱えやすく、気分にむらがあり、衝動的な行動を取ったりします。

それは、ストレスを和らげる前頭葉や前頭前野が25歳で完成するのに比べ、ストレスを生むほうの偏桃体は17歳で完成するからです。

ストレスを無くすことができないなら、ストレスへの耐性を作れるのが運動です。ティーンエイジャーも運動を生活に取り入れると良いでしょう。

カエデ
偏桃体の方が先に完成するのね!

 

「一流の頭脳」要約5.ドーパミンとエンドルフィンが気持ちいい

あるホルモンが出ることによって、人は満たされた気分になります。

ドーパミンは幸せホルモン

ドーパミンという言葉はよく聞きますね。

ドーパミンは「幸せホルモン」と呼ばれ、人をポジティブな気分にさせます。

食事中、社交、運動、セックスの時にドーパミンは分泌されます。これらの活動は生存に必要な活動なので、脳が良い気持ちにさせてそれらの活動へのモチベーションを上げます。

運動後にすっきりするのは、運動はサバンナでハンティングするために必要な活動で、危険を回避したり、狩りで獲物を捕るという良い報酬があるからだそうです。

では、そのように大事な運動なら、なぜ現代人には運動が嫌いな人がいるのでしょうか。それは、「生存のためにエネルギーを節約しろ」という人間の本能らしいのです。ただ、食べ物が豊富にある現代では、この本能に従うのはメタボへ一直線です。

カエデ
運動すると幸せホルモンドーパミンが出る!

 

脳内麻薬のエンドルフィン

エンドルフィンはモルフィネと同じ働きをする脳内物質で、陶酔感を起こします。寝ないでも食べないでも、いつまでも走っていられる感覚になるランナーズハイは、この物質によって起こると言われています。

なぜ走り続けるとエンドルフィンが出るのでしょうか。

それは、体内の糖質エネルギーが枯渇しても、獲物を求めて走り続けられるようにと脳が陶酔感を起こすらしいのです。ただ、これは「最後の踏ん張り」のためであり、そのまま走り続けるともちろん死んでしまいます。

 

「一流の頭脳」要約6.最適な運動の量とは

運動が脳の発達に良いことをたくさん書きましたが、では、どれくらいの運動量が適当なのでしょうか。

ジョギングと筋トレを併用

有酸素運動は「ストレス発散」においては筋トレより有効です。大事なのは心拍数を上げることです。

 

脳の発達に良い運動の適量とは

  • ジョギングやエアロビクスなどの有酸素運動
  • 速足のウォーキングもOK
  • 1回につき少なくとも20分、できれば40分
  • 週2~3回が目安
  • 少し疲れたなと感じる程度
  • 心拍数はMAXの時の70~75%まで上げる
    • 40代なら130~140
    • 50代なら最低でも125。
  • ウエイトトレーニングと併用
  • 朝にすると午前中集中して仕事や勉強ができる
カエデ
これならできそう!

 

ウエイトトレーニングで筋肉を付けることもとても有効です。

キヌレニンという物質は年齢と共に増加して筋力を下げますが、筋肉は、それが脳に入り込むことを阻止するそうですまた、筋肉は記憶力にも貢献します。

有酸素運動とウエイトトレーニングは並行してやるのが良いようです。それによってストレス発散、記憶力の向上、老化防止等、すべて方が向上します。

カエデ
筋肉もとても大事!

 

運動のやりすぎはよくない

上記のような運動を、すぐに効果は出なくても続けることが大事です。まずは3週間やってみてストレスが軽減されるか見てみましょう。週に2~3回、1回20~40分ならできそうですね。

しかし、運動のし過ぎは記憶力にはマイナスになるそうです。ある研究で、走りすぎるネズミは迷路を出るのに時間がかかり、ストレスホルモンのコルチゾール値が上がったそうです。

マラソンのし過ぎや疲れるまでやる運動オタクは脳へのマイナス効果の可能性の他に、マラソン熱の高い人は走りすぎて膝の故障などもよく聞く話なので、やはりほどほどが良いようです。

カエデ
疲れすぎるまでやるとコルチゾールが上がる

 

「一流の頭脳」要約7. ADHDにも運動がよい

本書では、5%~12%の子供がADHDと診断されているとあります。たくさんの人にADHD傾向があるようです。

ADHDは白黒ではなくスペクトラムであり、傾向が強いか弱いかなのですが、生活に支障が出ると本人も辛いです。

 

人類の発展に必要なADHD傾向

ADHDの人が、自ら危険に身を置いたり、衝動的な行動を取る性質は、人類の新天地への冒険に向いているそうです。アフリカを出て世界中に君臨する人類の発展にはADHDの特質は必要だったのです。

人間はADHDの傾向を少なからず持っていますが、特に、実業家など新しい事に挑戦する人に多いそうです。

 

運動すると集中力が上がる

ADHDの症状は、ドーパミンの伝達が悪く前頭葉まで届きにくい人に起こります。

ADHDの人は前頭葉で発揮するはずの集中力が持続しません。前頭葉は人類に最も発達しており、抽象的、数学的、論理的思考を司ります。

ADHDには運動が効果があり、ADHDの子供は心拍数の上がる遊びをすると、ドーパミンが出て、その後落ち着いて集中できるそうです。

カエデ
運動はADHDにもプラスの効果!

 

「一流の頭脳」要約8.体を動かすと集中力があがる

テストの前に5分でも運動すると点数がよくなります。また記憶する時に体を動かすとよく覚えられます。

トレッドミルに乘って暗記

6週間から3か月の持久力トレーニングで記憶力が良くなります。

なんと、17歳の双子200組のサンプルを使い、運動で集中力が上がること証明したそうです。サバンナでは体を動かすこと(狩りと逃げること)は集中力が必要なことと関連付けられ、サバイバルに必要だからです。

 

運動で体が締まってくるにつれて海馬が大きくなり、記憶力が上がります。海馬は記憶には大事な脳の部位なのです。

記憶する時に体を動かすのも良いようです。トレッドミルに乘りながら英単語を覚えるのもよいでしょう。

ただし、激しい運動はマイナス効果です。脳は、記憶ではなく運動に集中してしまうからです。

カエデ
体を動かしながら記憶すると効果的!

 

「一流の頭脳」要約9. BDNFは魔法の物質

人間の脳には色々な物質が作用します。

人間のムードをコントロールする物質

人間の体内では、気分ややる気をコントロールする物質が作られます。

ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリン

神経伝達物質(ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリン)はムードをコントロールする物質です。運動は抗うつ作用があります。

・ノルアドレナリンは覚醒や集中力によい。増えすぎると攻撃的になる可能性。

・ドーパミンは意欲と意思決定によい。増えすぎると精神障害を起こす可能性。

・セロトニンは脳の興奮を抑える。 ノルアドレナリンとドーパミンの分泌を調節する。

神経伝達物質図解

 

BNDF

単に抗うつ薬や運動でドーパミンとセロトニンが増えても、患者はすぐに気分が良くなりません。

それらが脳に届くには、BDNF(brain-drive-neurotroffic-factor)という脳由来神経栄養因子が必要です。

BDNFは大脳皮質と海馬で作られるプロティンで、脳を守り、脳細胞の連携を強めて学習や記憶に役立ちます

また、脳を柔軟にし老化を遅らせる等メリットは限りなく、どの年齢にも恩恵があります。

GABA

GABA(Gamma-aminobutrynic acid)はγ(ガンマ)-アミノ酪酸で、脳の興奮を抑え不安を取り除く働きがあります。運動をするとGABAが増えて不安が減ります。

カエデ
気分は脳内物質に左右される!

 

ジョギングでBDNF値を上げる

さて、BDNFは残念ながら外から接種できません。脳内でしか生成できないのです。

唯一BDNF値を高める方法は運動!30分のジョギング(有酸素運動)を週2回続けるだけです。ただし止めると2週間後にはBDNF値は下がり始めます。

 

ストレス以外にもうつの原因があります

・肥満

・更年期

・体内炎症

これらの要因が脳内のBDNF値を下げ、ドーパミンなど気分がポジティブになる物質が脳に送られなくなります。

カエデ
運動で魔法のBDNFを増やそう!

 

「一流の頭脳」要約10. 25歳過ぎると脳細胞は減っていく

25歳を過ぎると脳は毎年0.5%ずつ縮小します。しかも、うつの人はその減り方が大きく早く脳が縮小していき、また、新しい脳細胞ができにくい状態になります。

大人になっても脳細胞は作られる

大人になっても新しい脳細胞は生まれているが、その数以上に脳細胞が死ぬと脳が縮小します。

記憶は運動で鍛えられます。持久力トレーニング(有酸素運動)をしたグループは、脳の海馬が縮小するどころか大きくなっていたそうです。

人間は大人になっても、新しい脳細胞を作り出すことができるのです。

カエデ
大人になっても脳細胞は増やせる!

 

 

「一流の頭脳」要約11. クリエィティビティと運動

周りを見回すと、斬新なアイデアや新しい事を生み出す人は、運動を生活に取り入れています。

できる人は運動を取り入れている

日本が誇る作家、村上春樹さんや、ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授がマラソン好きなことは有名ですね。

スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグは社員に歩くことを奨励していました。

オバマ大統領が、ホワイトハウス内で、ジョー・バイデンとジョギングしている動画を観た人も多いのではないでしょうか。

人とは違うクリエイティブな発想が必要な人たちは、積極的に体を動かします。そうすることでより良いアイデアが生まれることを知っているからです。

 

創造性が60%も高まる

スタンフォード大学の研究で、散歩する人はしない人に比べて60%多く新しいアイデアを出す事ができると分かったそうです。

記憶する時に体を動かすことが良いように、アイデアを出す時も体を動かす方が良いようですね。

脳の奥の視床という器官が、脳に入ってくる情報の整理をします。そして、ドーパミンが情報を通過させるかどうかを決めます。ドーパミンが多いと通過させる情報が多く、それが気付きとなり創造力が高まります。ドーパミンが少ないとADHD傾向が強くなるのは先に述べていますね。

生まれつきドーパミン値が高い人はクリエイティブになりやすい反面、ドーパミンが多すぎると幻覚が見えたりなどの統合失調症になる可能性もあります。天才的にクリエイティブな芸術家や数学者などは、本人や親族に統合失調症が多いそうです。

カエデ
体を動かすとアイデアが出やすい!

 

「一流の頭脳」要約12. ゲームと脳

認知力を上げる脳トレゲームのアプリが非常に人気があります。とても大きな市場らしいですね。

脳トレは効果なし

スタンフォード大学とMax Planck Instituteが、これら脳トレゲームの有効性を調査したところ、これらのゲームは認知力、集中力、創造力、記憶力になんらメリットはなかったそうです。

クロスワードパズルや数独も同じで、やればやるほど、ただ単にそのゲームがよくできるようになるだけです。

一方、運動は認知力にプラスの働きをすることが証明されています

将来、認知症になりたくなければ、百マス計算や脳トレをするよりも、散歩するほうが効果的です。脳トレのゲームを楽しむなら運動も取り入れないと効果がありません。

カエデ
脳トレゲームは脳には効果なし

 

「一流の頭脳」要約13.フィットしている子供は成績が良い

アメリカで250人の小学生の身体能力と学力を調べたたところ、身体能力の高い子供は学力も高いという結果がでました。

身体的に活動的な子供の脳をMRIで調べると、活動的でない子供より海馬が大きかったそうです。

 

健康のためにも太らせないのは親の義務

ルッキズムに影響しそうで、太った子供がそれで差別されると嫌ですが、子供を太らせないことは、成績だけでなく、子供の健康のためにも大事な親の務めです。

 

短い時間でも活動的に過ごさせると子供の集中力が上がります。短い休み時間に体を動かすと授業に集中できます

258人のフィンランドの小学2年生の子供たちを対象にした研究でも、身体的に活動的な子供ほどストレスに強いことがわかりました。

カエデ
子供には汗かくくらい遊ばせよう

 

「一流の頭脳」要約 14.認知症予防と運動

老人の脳は認知タスクをするとき、若い人より努力が必要になります。脳全体(左脳も右脳も)を使うそうです。

しかし、脳が若い人は、小さいエリアだけ、それも左脳だけを使うそうです。

運動は海馬と前頭葉を鍛え、脳の老化(縮小)を遅らせ、認知症を予防します。

 

BDNFの突然異変

スタンフォード大学が144人のパイロットの認知力を追跡調査しました。認知力や操縦技術が年齢とともに下がるのは普通の老化ですが、驚いたことに、3分の1のパイロットのBDNFが突然異変を起こし、海馬が2倍の速さで縮小していました。

BDNFは脳を守り、脳細胞の連携を強めるプロティンでしたね。

アルツハイマーがなぜ起こるか、遺伝なのかの究明が盛んです。しかし、それも大事だが、1回30分、毎日散歩することを奨励することのほうが効果的だと本書には書かれています。

 

運動が脳を若く保つ例として、 77歳で陸上競技を始めたカナダ人のオルガ・コテルコさんについて触れています。彼女は95歳で亡くなるまで認知症とは無縁でした。亡くなる1年前の動画を観ましたが、とても94歳とは見えないキビキビした話し方でした。

カエデ
運動は認知症予防に効く!

 

ブルーゾーン

世界には多くの住民が認知症を発症せずに高齢を謳歌する地域があり、「ブルーゾーン」と呼ばれています。日本の沖縄もその1つで、他には、イタリア、コスタリカ、スウェーデンにあります。

多くの科学者が彼らの認知症しらずの長寿を不思議に思い、研究対象としています。

彼らは田舎に住み、地域社会と深いつながりがあり、数世代が一緒に住んでいます。食べすぎず、毎日活動的な生活をしているのが特徴です。

 

「一流の頭脳」要約 15. デジタル社会と運動

人類は親戚のチンパンジーと6百万年前に枝分かれしました。

人間の脳はチンパンジーの3倍の大きさがあります。それは大脳皮質、特に前頭葉が発達したからです。

 

人間の脳の発達はコピーミス

なぜ人間の前頭葉がここまで発達したのでしょうか。

これは遺伝子がコピーを続けている際に、部分的に重複するというミスが起こり、「ARHGAP11B」と今では呼ばれている新しい遺伝子ができたからです。

それが、人間の大脳皮質にしわを付けて大きくすることに成功しました。

人類の歴史を24時間とすると、狩猟収集時代が終わったのが23:40:00。工業化社会になったのは23:59:40。デジタル社会になったのが23:59:59!

人間の脳はまだ1万2千年前のサバンナにいるのです。

カエデ
人類の脳が大きいのはコピーミス!?

 

まとめ

 

ストレス発散、うつ予防、老化予防、認知力、思考力、記憶力やクリエイティビティの向上等、運動のメリットはたくさんありますね。

さて、運動は人間の脳に良く、ストレスも発散できて気持ち良いのに、運動嫌いな人がいるのはなぜなんでしょう?私も特に運動が好きではありませんが、ウォーキングやジョギング、筋トレは続けています。それは単に体に良いと聞いているし、やっぱり後で気持ちが良いからです。

運動嫌いな人がいるのは、サバンナ時代に沁みついた、「次はいつ食べられるかわからないので、体が大事なエネルギーをセーブする」からだそうです。

体を動かすのが嫌だなと思っても、少しでも運動をするとドーパミンが生成されて良い気分になり、記憶力が上がりやる気も出て、体もフィットするという良い事ずくめ!

さあ、もうお分かりですね?今日から運動をしましょう!

 

 

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カエデ
同じ著者の「スマホ脳」というのも読んでみたいな。