大阪で唯一本格的にモンテッソーリ教育を100%英語で実施している大阪モンテッソーリインターナショナルスクール。自分が子どもの時に行きたかったと思えるスクールです。保育無償制度も適用されていますよ。
教育に関心のある親ならよく耳にするモンテッソーリ。100年もの間、世界の親たちに支持されてきた理由は何なのでしょうか。
カナダでもモンテッソーリ教育は有名ですが、今回、その教育方法を初めて見せていただきました。奥の深さと長い歴史に裏付けされた教育だと感じました。
モンテッソーリ教育に長い経験を持つアメリカ人園長、アレクサンダー・ランダルさんに案内していただきました。
カエデとは:
マルチリンガル子育てアドバイザー兼ライター。
バイリンガル教育を勉強しながら、カナダで2人の子どもを日英仏語で読み書きまでできる高度トリリンガルに育てました。子どもをバイリンガルに育てたいと願う親御さんに正しい情報をお届けする活動をしています。
この記事を読んでわかること
- 大阪モンテッソーリインターナショナルスクールの情報
- モンテッソーリ教育の具体的な内容について
- 日本人の子どもが英語を獲得する過程について
- どのような子どもに向いているのか
(*この記事を作成するにあたり、大阪モンテッソーリインターナショナルから広告費などは一切戴いていません。)
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大阪モンテッソーリインターナショナルスクール基本情報
大阪モンテッソーリインターナショナルスクールについての情報を一覧表にしました(2023年2月現在)。
一般情報
開校 | 2005年 |
URL | http://osaka-montessori.com/ |
所在地 | 大阪府大阪市東住吉区鷹合3-3-16 |
電話 | 06-6690-5677 |
Eメール | info@osaka-montessori.com |
園児の年齢 | 1歳半~6歳 |
園児数 | 最大52名 |
保育士数 | 7名 |
保育時間 | 週5日9:00~15:00(延長17:00) |
認可 | 認可外 |
保育無償化 | あり |
施設 | 鉄筋建物内2~3階。近所に公園 |
制服 | プリスクールからトップスのみ |
昼食・おやつ | 持参 |
アフタースクール | なし |
サタデースクール | なし |
教育理念 | 自分で考えることのできる人を育てる |
目標とする英語力 | 英語の絵本が読めてジャーナルが書ける |
クラスサイズ
クラス分けは年齢混合の縦割りです。
(表は横にスライドします)
クラス | 年齢 | クラス数 | 定員 | 保育士/クラス | 時間 |
トドラー | 1歳半~3歳 | 1クラス | 各12名 | 3名 | 週5日9:00~15:00(延長17:00) |
子どもの家(プリスクール) | 3歳~6歳 | 2クラス | 各20名 | 2名 | 週5日9:00~15:00(延長17:00) |
学費
授業料・その他は以下の通りです(2023年2月)。
授業料
(表は横にスライドします)
クラス 9:30 ~15:00 | 日数/週 | 月額授業料 | 月額教材費 | 月額保険・衛生費 |
トドラー 1歳半~3歳 | 3 | 68,000円 | 1,100円 | 1,000円 |
4 | 78,000円 | 1,100円 | 1,000円 | |
5 | 88,000円 | 1,100円 | 1,000円 | |
子どもの家 3歳~6歳 | 5 | 88,000円 | 1,100円 | 1,000円 |
早朝保育08:30~08:45:250円
延長保育15:00~17:00:500円 / 1時間
その他
入学金 | 80,000円 |
年会費 | 20,000円 |
保育無償化制度
大阪モンテッソーリインターナショナルスクールは認可外施設の無償化制度が認定されています。
申請が認められると3歳~5歳の子どもの保育料に対して月額3万7千円までの補填が受けられますよ。
モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育は20世紀初め頃にイタリア初の女性医学博士、マリア・モンテッソーリによって考案されたました。
モンテッソーリの教育理念
子どもの自主性を育て、知的好奇心を引き出すように考えられた教育方法です。
将棋で多数の最年少タイトルを取った藤井聡太さんがモンテッソーリ教育の経験者ということで一時モンテッソーリが話題になりましたね。
ただ、モンテッソーリ教育は、英才教育や先取り教育ではなく、最初は学習障害児のための能力開発として始まり、のちにこの教育方法が一般にも広がりました。
園長先生について
アレクサンダー・ランダル先生は人類学を勉強していた大学生の時に、デイケアでアルバイトをして子ども相手の仕事が好きだと思ったそうです。しかし、アメリカでは保育士に対する待遇は良くないので当時はその道には進まず、なんとオートバイレーサーを7年ほどやっていました。
同僚の奥さんがモンテッソーリ教育の先生で、誘われて最初はアートの先生として働き、教師のトレーニングを受け、その後11年間アメリカで教えました。今ではモンテッソーリを教えて30年ほどになるそうです。
ある年、日本でバイクツーリングをしている間に日本が好きになり、アメリカでの仕事を辞めて来日。インターやモンテッソーリの学校で教えていました。そして、日本人の奥さんの協力もあり、モンテッソーリ教育に関心をもつパートナーとインターナショナルスクールを大阪に2005年に創立したそうです。
色々な経験をされてきた園長先生は、落ち着いた雰囲気の優しい先生です。朝、登園した園児が脱いだジャケットをハンガーに掛けるため、自分でジッパーを上げられるまでじっと待っていました。
モンテッソーリ教育の特徴
モンテッソーリ教育は、気になること、興味のあることには時間を忘れて取り組む子どもの集中力を活用します。
子どもは自分で作業(ワーク)を決めてそれを達成させようと集中し、達成することで自信を持ちます。
これは幼児期にはとても大事なことだと思います。というのは、小学校に上がるとクラス単位で先生がカリキュラムを進めないといけないので、先生が指図する一方通行になりがちです。
たとえ幼児の間だけでも、誰にも邪魔されない熱中できる時間を約束される教育とはなんと素晴らしいのだろうと感じました。
縦割りクラス
モンテッソーリでは3年毎を成長の一区切りとしています。
0歳~3歳(大阪モンテッソーリインターナショナルスクールは1歳半から)、3歳~6歳の混合クラスにするのも特徴で、小さい子は大きい子を真似して、大きい子は小さい子をかわいがる気持ちが芽生え、社会性・協調性が育ちます。
広く整頓された教室と教材・教具
教室に入るとほっとする感じがします。板張りの床で広く温かな印象で、見た目にもきれいな、触ってみたい、中を見たいと思わせる、木や布、箱、羽根、ビーズなどのあらゆる素材や道具を使ったモンテッソーリ独特の教具や日常使う道具が、とにかくたくさん用意されています。
そしてどこを見ても綺麗に整頓されています。次の人が使いやすいように「使った教具は必ず元の状態にして戻すことが約束」だそうです。
そして静かです。子どもたちが自分のワークに集中しています。強制されず、自分のやりたいことを自分のペースで熱中できる環境がここにあります。
(*教具については下で詳しく説明します。)
細かい作業
子どもが細かな作業に興味を持つことを活用して、手や指先を使うのがモンテッソーリの特徴です。
小さいうちに研ぎ澄まされる感性を育てます。
私の娘が1歳の時に、公園の溝のスリットの間から砂利を1つずつ落としていました。それを始めると30分はやっていたように思います。小さな砂利を指でつまむ動作とスリットの細い隙間に石を落とすことに集中していました。今思うと、これが幼児が持つ敏感期だったのでしょう。
保育士
外国人の先生は入れ替わりが激しいので、日本人のバイリンガルの先生を主体にしたら落ち着いたそうです。日系で英語のネイティブスピーカーやフィリピン人の先生もいらっしゃいます。
モンテッソーリ教育では先生のトレーニングは必須です。日本には2つの公認の団体があり、その1つのAMI(国際モンテッソーリ協会)公認の「東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター」に先生を派遣しています。
東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター ☞ MITサイト
すでに保育資格を持った上で、トレーニングを受けモンテッソーリの教師になる方もいます。
膨大な教具1つ1つに正しい使い方があり、教師がモンテッソーリを理解するのは大変です。
また、子どもを観察しながら成長を支える教育は忍耐力が必要です。先生には、忍耐強く、決めつけたりせず、協力的で、子ども好きな人を基準に選んでいるそうです。
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モンテッソーリ教育の内容
スクールのカリキュラムはアメリカの標準的なモンテッソーリ・スクールと同じです。
以下のことができるように作られていますが、あくまで子どもの自主性を重んじます。
- 数学的なセンスが身に着く:問題を分析し、順序立て、比較できる。特に幾何学的な直感力が鋭くなる。
- 言語能力:考えをまとめ、正確に表現できる。
- 動作能力:手先が器用で段取りがよく、自分の体をコントロールできる。
- 人格の確立: 自分で選び、決め、最後まで遂行することができる。
トドラークラス1歳半~3歳
3つの項目を育てることを目標とし、日常生活での自律を促すスキルを身に着け、次のプリスクールへの準備をします
- 社交性
- 総合的な運動スキル
- 言語教育
クラス訪問
広い教室に入っていくと、幼児が11人ほどいます。教具がたくさん配置されていますが、教室が広いので子どもが作業するスペースがゆったりとあります。
3歳くらいの女の子が昔ながらの洗濯板を使って布を洗濯して干しています。先生は横にいて時々声をかけていますが、指図は一切しません。
あちらにいる男の子は鏡で自分の顔を観察しています。絵を描く子もいれば、はめ絵をする子もいます。子どもたちは自分の作業に夢中でどの子も静かです。
この年齢ではまだ文字や読みは取り入れません。体や手を使い自分の体を自由に動かせ、身の回りへの好奇心を育み、ライフスキルを身に着けることを目的とします。
1歳半~3歳トドラークラススケジュール
子どもの家クラス(CH)3歳~6歳
クラス訪問
こちらも広い教室です。こちらの子は英語のフォニックスを練習しています。向こうの男の子は針と糸で裁縫をしています。
座り心地の良さそうな椅子では男の子が絵本を読んでいます。女の子はラミネートで作られた英語の文章を探しています。(これらの教具はほとんどが先生たちの手作りです。)
3歳~6歳子供の家クラススケジュール
モンテッソーリのカリキュラムと教材・教具について
以下の教育の5大要素、①日常生活の練習、②感覚教育、③算数教育、④言語教育、⑤文化教育(植物学 動物学 歴史 科学 文化 人文・自然地理学 音楽 美術)がカリキュラムに組み込まれています。
園児が守る決まりは2つだけです。
1.まずは先生がやり方を教える。
2.使ったものは元に戻す
あとは好きなことを好きな時に好きなだけアクティビティができます。
1.日常生活の練習(Practical Life)
大人がする日常生活上の様々な動作の真似をしたがり、その動作の模倣によって自分の意志どおりに動く身体をつくり、いろいろなことが自分でできるようになります。
トドラークラスの教室内に特に多いのが、家庭にある日用品を教具としていることです。身近にあるものを使いたいという欲求が幼児にあるのでしょう。
水を入れる、中の物を出す、はめる、つまむ、押し込む、振る等、家では道具をすべて試すわけにはいきませんが、ここでなら好きなだけ物を使うことができますね。
2.感覚教育(Sensorial)
これは赤と青の容器を振って、同じ音をマッチングさせる教具です。バイリンガルになるには音に敏感でなくてはいけませんね。
こちらは色のグラデーション。視覚の的確さを高めます。
子どもたちはワークマットの上に教具を置いて作業し、使い終わったら片付けます。
3.言語教育(Language)
絵カード、文字カードなど、それぞれの発達段階に即した教具を使い、「話す」、「読む」、「書く」の作業を通じて語彙を豊かにすることを目指し、最終的には文法や文章構成へと進みます。
文字や文章を主体とする言語教育は3歳の「子どもの家(CH)」クラスから始めます。
ボキャブラリーアクティビティ
「子どもの家(CH)」の教室内にはたくさんの言葉に関するアクティビティがあります。例えば「赤」「青」「緑」の箱にはそれぞれ7つのレベルのアクティビティがあります。
モンテッソーリの文字と言葉の関連付け方
サイトリーダー(Sight Reader)とワードビルディング(Word Building):サイトリーダーとは、パッと見ただけで文字を読んで理解できる子どもがいるそうですが、99.9%の子どもは、文字に触れ単語を読む最初の段階では、まずは言葉を組み立てて(Word Building)何が書いてあるかを理解するします。
フォニックス・アクティビティ
子どもたちはどのよう英語の正しい発音を身に着けるのでしょうか。
赤い箱
プリリーディング(読み方を学ぶ前)の初歩段階の赤い箱の外にはa,e,I,o,uの母音が1つずつ書いてあります。「a」の箱の中には「man」、「tag」、「 cat」、「 rat」、「can」の実物や人形のobjectが入っています。
中には人形や実物
しかし、これは読み方を覚えるためではなく、「word building」といい、各文字が持つフォニックスを体現するのが目的だそうです。
次のレベルの箱には「cat」 「map」 「fan」「ax」 「lam」のカードに文字(表)と絵(裏)があります。声に出して発音します。
このようなアクティビティが7レベルあり、段階を踏んでフォニックスを身に着けます。
触る文字
青い板に黄色でアルファベットが1つずつ書いてあります。文字の部分はざらざらしていて、正しい書き方でなぞったり、発音したりします。これも感覚を意識した体験ですね。
Word Building
26文字の80%ほど覚えたらbuilding wordsに移行します。「man」を綴ったらその横に人形を置きます。
文章をの組み立て
単語が蓄積されてきたら文章を作る段階に入ります。箱の中にはシートが入っています。
例えば「but」を使うなら「I want to go, but mom says ‘no’.」と自分で文章を作り言うことができます。
緑の箱
緑の箱は上級レベルです。学習する音は sh、 th、 ch、 tch、 ng ……とたくさん続きます。赤➡青➡緑と、初歩レベルの3歳から3年かけて語彙を積み上げていきます。
カードに園児の進捗状況が記録されます。
この園児は「dge」のついた単語の練習をしています。最後に先生がテストして定着しているかを確認します。
システマチックに関連付けて定着させる
教具の使い方を教えていただき、とてもシステマチックに考えられているなと感じました。「思い付きで手当たり次第に教えても、特に外国語なので覚えにくい」とのお話です。
なるほど、母語(親から教わる言葉)なら、親が毎日チャンスがある毎に同じ言葉を繰り返して子どもに教えますが、外国語なので触れる機会も限られるでしょう。
教室内は、同じ単語に何度も触れられ、また、どんな時に使うのかが理解できるようにと工夫されています。
〇 例えば「tenth」と言う単語を習ったら、教室にあるカレンダーで「tenth(10日)」はいつか、と関連付けます。
〇 黒い缶の中にも「a」の音で始まる物objectsが入っています。 「ambulance」, 「antelope」, 「anklet」。
〇 このカードでは、動物の体の部位「頭(head)」や「 後ろ足(hindlegs)」などが視覚を通して理解できます。
〇 バスケットの中の人形と単語カードを照らし合わせます。
〇 絵とその裏には単語が書いてあるカード
この緑の箱のレベルでは、園児は単語カードを見ながらスペルをシートに書き写します。
フラッシュカードだけでは子どもはすぐに忘れる
最初に教具の使い方を教えてもらい面白いと感じると、子どもは1つを終えると次の箱に何が入っているのか興味を持って開けていきます。文字や絵を見るだけでなく、実物に触れることでも楽しめるからです。
インターアクション
【サークルタイム】
シャカシャカとマラカスの合図でサークルタイムが始まります。先生は声を張り上げません。
輪になって元気よく英語の歌「Down by the Bay」から始まりました。前にある紙には子どもたちが知っている英語の単語が書いてあります。
先生が英語で、教室には子どもが何人いて、大人が何人いるかを尋ねます。
先生が毎日チャプターブックを読んでくれます。かなり文字の多い本で、子どもは全部を理解しないかもしれないが、読み聞かせは大事だそうです。
園長先生は、日本語はもちろん、英語の本でもいいから家で読み聞かせて欲しいと言います。
子どもは園で正しい発音を身に着けているので、親の英語の発音が悪くても大丈夫です。大事なのは親が読んで読書に興味を持たせることです。
子どもが興味なさそうに他のことを始めても、耳だけは聞いているということがあります。(子どもの聴覚はすごいです)。反応が無いように見えても読み聞かせは続けましょう。親が疲れている日はCDでもいいと私は思います。
子どもは幾つになっても親の読み聞かせが大好きです。園長先生は小学校高学年の息子さんに今でも読み聞かせているそうです。私も中学生だった子どもたちに久しぶりに「チャーリーとチョコレート工場」(日本語)を2週間かけて読んだことがありますが、分厚い本で読み終わった時は声が枯れていました。
英語を話し出すまでの時間
「毎日触れていたら4歳くらいから英語を話し出す」そうです。子どもにはじっと聞いて言葉を貯めるサイレント期があります。話さなくても理解しようとしているので、無理に引き出さない方がよいでしょう。貯金がないと引き出せません。
おうち英語をしている家庭でよく聞く失敗が、無理やり英語を話させようとして子どもを英語嫌いにすることです。
楽しく英語にたくさん触れて、自然に発話するまで待つ姿勢が大事です。
リーディング力
絵本を1人で熱心に読んでいる園児を見ながら、「彼は本を読みながらDecodingしているのかもしれない」と園長先生が言っていました。Decodingとは文字を繋ぎ合わせて意味のある言葉に処理するプロセスを指します。Decodingの練習は赤ちゃんが親に読み聞かせをしてもらう時から始まっています。
園では段階的にリーディング力を着けていきます。
最初は簡単な絵本が読めることで子どもは自信を持ちます。
卒園までに図書室のこれらの本が読めるようになるそうです。
ライティング力
最終的には子どもが自分の文章を書けることが目標です。
6歳児がジャーナルを書いています。たくさん文章が書けていますね。
「スペルや言葉の使い方の間違いを訂正するのか」聞いてみました。
回答は、「その子のパターンを観察する」との事です。同じ間違いを繰り返すようなら、1つ前に戻って間違うところを強化します。ただ、年齢が上がるとできるようになることが増えるので、細かく気にする必要はないそうです。
カエデの子どもたちはカナダで育ち、日本語の敬語が使えるのか心配していました。日本の子どもよりは遅いですが、高校生の時には敬語を使えるようになったので要らぬ心配だったようです。
4.算数教育(Mathematics)
モンテッソーリの手で触る算数教育も有名ですね。園長先生は中学で数学が嫌いになったらしく、その原因が抽象的過ぎて理解できなかったそうです。
有形から抽象へ
これもモンテッソーリ特有のビーズ教具です。1は赤、2は緑、3はピンクと決まりがあります。
これらを使って足し算をします。なんと4桁の足し算、引き算もできるそうです。
先生が触っているのが1000の塊です
園児は足し算、引き算だけでなく、掛け算、割り算、分数や小数まで理解できるようになるそうです。
ピンクタワー
こちらはピンクタワーで大きさの概念を育みます。大きい順や小さい順、壁沿いに立てたり、床に寝かしたりしながら遊びます。
立体の理解
こちらは「2項式キューブ」と「3項式キューブ」というもので、視覚的と感覚的に立体の辺の長さや体積の関係を具体的に理解する教具だそうです。
興味のある方はこちらの動画でチャレンジしてください。(英語しか見つけられませんでした)。
「子どもがあるアクティビティをずっとやって他に興味を示さない場合はどうするのか」とお聞きしました。
「なぜ同じ事ばかりを繰り返すのか。マスターしたいのか。それだけしかやりたくない理由が他にあるのかを観察する。子どもは、分かったという自信ができると次に進みたがる」とのお答えでした。
子どもの行動には理由があるんですね。
5.文化教育(Cultural Studies)
植物、生物、歴史、科学、地理、音楽や美術などを、まずは身近な物や事柄に触れたり、観察したりして理解します。
生物
地理
手でちぎって大陸や国を作っています。それによって、国の大きさや位置を体験します。大陸や国の名前も書いていますね。
文化
こちらはアメリカのサンクスギビングについて、日付、歴史やどんな野菜を使うのか学習中のようです。
あのアオバインタナショナルスクールが作ったオンラインインター!
入園に際して
その他、入園に際して保護者が気になるだろうことをお聞きました。
何歳までに入園したらよい?
トライアルもできます。トライアルデイが1日と入園してからも1か月は様子を見る期間があります。小さな物を口に入れるなど、まだその段階でない子はもう少し成長してからの入園を勧めるそうです。(トイレトレーニングは家庭との協力で進めます。)
日本の小学校に馴染めるの?
自由と自立を知ると「日本の小学校に上がってから苦労しないか」と質問しました。
「卒園後はインターより日本の小学校に上がる子が大半だが、問題になることはない」との回答でした。子どもは学校だけでなく、家庭や社会でも日本の文化や習慣を身に着けるので、日本の小学校に上がっても大丈夫とのことです。
家庭ではしっかり日本語を使う
これはバイリンガル教育の分野ではすでに常識となっていることです。
英語が第一の目的ではない
園長先生も強調されていたのは、大阪モンテッソーリインターナショナルスクールは英語習得を第一の目標とはしていません。園児たちは日本語で話しても注意されませんし、英検対策もカリキュラムにありません。
ここでの保育は100%英語で行われますし、フォニックスを習得して、英語での読み書きができ、英語で科学や地理を理解できます。
「園児が英語をネイティブのように話せるようにしたいという目的なら他の学校を選んだほうがよいでしょう」とのお話でした。
インター小学校を開校予定
幼稚園だけでなく、モンテッソーリ教育が盛んなアメリカでは高校まであるそうです。園では、保護者からも小学校を作ってほしいという要望があり、現在その準備を進めています。
算数と言語にフォーカスした、1クラス15~20人ほどのクラスを小1~3、小4~6の2クラス作る予定にしているそうです。(2023年2月現在)
まとめ・どんな子どもに合っている?
園長先生とお話しして、「子どもを観察する」という言葉が頻繁に出てきました。
子どもがなぜそれに興味を持つのか、何を見つけようとしているのか、何につまずいているのか、はすべて子どもを観察することから発見できます。モンテッソーリの要素を取り入れたスクールは多いですが、ここまで本格的にモンテッソーリの理念を理解しているスクールは少ないのではないでしょうか。
子どもは遊びと学びに熱中するので、「この学校では先生はエンターテイナーにならなくてもよい」とおっしゃるのが印象的でした。
また、モンテッソーリは遊んでいるようでも彼らは毎日学んでいるので、「家に帰ったら塾ではなくリラックスさせてあげてほしい」とおっしゃっていました。
最後に園長先生が、「Don’t do for a child that which they can do for themselves.(子どもが自分でできることをやってしまわないでください。)」という言葉を教えてくれました。
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