海外駐在が長くなると子供の日本語保持が難しくなります。英語の習得に注目されがちですが、実は海外駐在では子供の日本語保持も重要な問題です。
カエデはバイリンガル教育を勉強しながら、カナダで2人の子どもを日英仏語で読み書きまでできる高度トリリンガルに育てました。そして、駐在や永住家庭など、たくさんの家庭のバイリンガル教育を見てきました。
子供の日本語を保持することはとても難しいことはよく知っています。
海外駐在が長くなると子供の日本語保持も難しくなります。
人気YouTuberバイリンガールちかさんは、小学校1年からなんと16年!もアメリカにいたのに日本語保持力がすごいのです!(たくさん駐在家庭の子供を見てきたカエデもびっくりです!)
昔の動画ですが、これを観て、海外駐在で長年アメリカに住んだ帰国子女が、どのように日本語を保持したのか探ってみましょう。
この記事のおすすめ読者。
- 海外駐在の子供の日本語保持の方法を知りたい。
- バイリンガル教育に興味がある。
- バイリンガールちかさんの日本語保持方法に興味がある。
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英語圏と非英語圏で違う親の意識
バイリンガールちかさんは、「平日は現地校、土曜日にシアトルの『日本人学校』に行っていた」と言っていますが、本当は「シアトル補習校」のようです。
さて、駐在先が英語圏と非英語圏の場合、親の教育方針が違ってくるようです。
英語圏ではダブルスクールが一般的
英語圏の駐在家族の子供は、平日は現地校に通って英語を身に着け、土曜に補習校へ通って日本語を保持するダブルスクールが一般的です。せっかく英語圏にいるチャンスを活用するためです。
補習校での指導は日本政府の学習指導要領に沿った教科書を使っていますが、週1日や放課後だけだと時間数が限られることから、それぞれ独自に教える教科や重点を置く内容を決めているようです。
大規模補習校には、日本から校長先生や教頭先生が派遣されます。教師は現地の永住日本人がほとんどです。
カエデの子供たちにも、平日は現地校、土曜に補習校という、駐在家庭の子供と同じようにダブルスクールをさせました。
幼児期や小学校低学年にカナダに来た子供の場合、駐在期間が3年以上の長期になると、だんだん日本語にも英語のアクセントが付く子供もいました。
それを考えると、小学1年生から英語圏に住んで、英語訛りのないバイリンガールちかさんの日本語力は本当にすごいです。
非英語圏はインターに通う子も多い
英語圏以外では、日本人学校がある国が多いのが特徴です。
日本人学校とは平日に通う全日制の、日本の指導要領に沿っで日本語で授業を行う学校です。
しかし、近年では、日本人学校でも補習校でもなく、インターナショナルスクールに子供を通わせる駐在家庭が増えているようです。
非英語圏の場合、現地の言葉や日本語の習得より英語を好む親が多いのです。
また、日本語よりも英語という英語偏重気味の家庭もあります。その場合、帰国間際になって、子供の日本語の遅れに焦る親御さんもいるようです。
いずれ帰る駐在家庭の子供の日本語保持
いずれ日本に帰ることが分かっている駐在家庭の親は、日本に帰ってから子供が困らないように、子供の日本語を必死に守ろうとします。
しかし、日本語保持に失敗すると、子どもは海外大を出てそのまま現地就職となります。
親の多大な努力
海外駐在では、皆が補習校や日本人学校のある都会に住めるとは限りません。
特に製造業だと、都心ではなく郊外に工場がある場合が多いのです。
バイリンガールちかさんのアメリカでの自宅も田舎だったようです。毎週土曜日に、お母さんが往復4時間かけて補習校に連れて行ってくれたそうです。
カエデの子供たちが補習校に通っていた頃、送迎は片道30分でした。しかし、駐在家庭の中には、ちかさんのように遠くから2時間近くかけて補習校に来ていた子供だちもたくさんいました。朝は6時起きで、車の中で朝ごはんを食べていました。子供たちも頑張っていました。
永住家庭だと、ここまでする家庭はほぼありません。「日本語を必死になって守らなくても、ダメだったら英語(または現地語)がある」と、英語(または現地語)が保険になっている気がします。
バイリンガールちかさんの家庭では、家の中では日本語を徹底していたようで、親が日本語で話しかけているのに英語で返すと注意されたそうです。
このようなブレない親の態度が、ちかさんの日本語の基礎を固めたんでしょうね。
日本語が弱くなる子もいる
バイリンガールちかさんは毎週土曜日に補習校へ行くのが大嫌いだったそうです。これは、土曜に日本語学校へ行く永住家庭の子供も同じです。
ちかさんは、金曜日に仲の良い友達とのお泊り会のあった翌日の土曜日の朝、友達がまだ寝ている間に、親が迎えに来て補習校に行ったそうです。
また、「宿題やテスト勉強等しなかった」と言い切っています。思い返すと「毎週行くということが大事だった。今でも繋がっている友達もいる」そうです。
100%完璧でなくても続けることが大事なのは、何事にも当てはまりますね。
ただ、今は時代が違うのか、駐在でも日本語保持にそれほど必死でない親御さんもいます。その場合、日本語が遅れていることで子供が日本に帰ることもできず、中高大と海外で過ごす子供が増えてきました。
日本語を保持した帰国子女は親に感謝する
バイリンガールちかさんは、アメリカの大学の卒業後に日本に帰国しました。そして、東京のコンサルティング会社に就職したそうです。
帰国子女が日本に帰ってから経験する苦労についてお友達と話している動画もありました。動画へ ☞ 「日本語コンプレックス?帰国子女の苦悩!」
特にカタカナ英語が難しく、英語風の発音にすると「気取ってる」と取られるのが大変だったようです。
働き出してから日本語の遅れを取り戻す
ちかさんによると、帰国子女が日本に帰ってから最も困ることは、以下のようなことだったようです。
- 漢字が読めない。
- 敬語を知らない。
- 日本語のスピードに着いていけない。
- 冗談やツッコミが理解できない。
- カタカナ英語が言えない。(マクドナルドやカリフォルニアが言えない。)
見た目は日本人なのに完璧な日本語を話せないことでおバカさんと思われたり、気取っていると取られたり、また、カルチャーショックで大変だったようです。
そこは頑張り屋のちかさん、工夫して日本語の力を着けたそうです。
- 合コンや飲み会に参加する。
- 日本人の友達とメールする。
- 敬語や仕事の言い回しは人のものを真似する。
日本語の基礎と発音は親御さんと本人の努力で身に着いていたので、数年経つと日本語に困らなくなったそうです。たった数年ですごいですね!
大事なのは、「実際にその言葉が使われている場所に身を置くこと」だそうです。これは英語学習にも言えることですね!
この動画を観て思ったのが、今は成人しているカエデの娘。アルバイトで、インターネットで日本の生徒さん(大人)に英語を教えています。
最初のうちは、生徒さんや学校(日本人経営)に送るメールすべてを私に添削をさせていましたが、1か月後には聞きに来なくなりました。部屋から漏れ聞こえる娘の日本語も、しっかり大人の日本語になっています。
また、カナダ在住の日本人やワーホリの人たちと飲み会に出かけて、日本語がさび付かないようにしています。
「ネイティブ話者の輪に自分から入っていく」って大事ですね。
コンプレックスを受け入れる
「できなければ、努力する。それでもダメならできない自分を受け入れる」のが大事だそうです。
「16年間も日本から離れていた自分が、日本語が完璧でないのは仕方がない。」そのようにコンプレックスを受け入れると楽になったそうです。
モノリンガルの日本人でも、敬語や少し難しい言葉になると知らない人はたくさんいます。
ちかさんも言っていますが、長年海外にいても日本語を保持できた子供は大人になって親に感謝します。子どもの時は土曜日に補習校に行ったり、現地校+補習校のたくさんの宿題に泣いたり怒ったりしても、その大変な時期はいつか終わります。
それは駐在家庭だけでなく、海外に住む日本ルーツの子供も、世界中の移民の子供たちも同じです。言葉はカルチャーなので、母国語を保持できると自分のルーツやアイデンティティが安定します。
カエデの子供たちも、成人後に、日本語が話せることで私に感謝するようになりました。
まとめ:駐在家庭は親も子供もたいへん
動画の中で高度に日本語を操るちかさんは、本当に頭の良い人だと思います。
そして、小中高と12年間、ちかさんに日本語の基礎力を着け続けた親御さんの頑張りや苦労もたいへんだったろうと想像します。
「頑張ったことは報われる」と思わせてくれるバイリンガールちかさんですね。
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